矯正歯科治療方針について
矯正歯科治療は、装置をつけている間だけでなく。初診相談や検査に始まり、装置をはずした後のフォローや定期検診まで長期間にわたります。診療所との信頼関係がとても大切です。患者さんの疑問や不安に対して、私やスタッフはいつでも何でも、お答えできるように心がけています。
アーク矯正歯科 院長 佐藤國彦
■診断
せっかく矯正歯科治療をお受けになるのなら1つでも多くのメリットを得ていただきたいと、私共は考えています。そのためには画一的な診断や方針だけでなく、個人の状況を細かく診断し個体差に応じた治療を行う必要があります。また、ご本人の生活やご希望も治療方針を考えていくうえの重要な要素と思っています。
矯正歯科治療による歯列や咬合の変化は予防的に、機能的に、審美的にもメリットを作り出します。従って一つの価値観にとらわれることなく、いろいろなメリットを追求できるよう心がけています。
■抜歯、非抜歯
まず歯を抜かない矯正で治せるか、可能性を追求。
矯正歯科治療では、歯列を広げたり歯を後ろへ送ることでスペースを得て矯正を行う(非抜歯ケース)場合と、小臼歯を抜いたスペースを利用して歯並びや咬み合わせを正しくする(抜歯ケース)場合があります。
非抜歯の可能性を追求することで非抜歯の範囲は広がりますが、スペースを作る治療効果によっては治療中に抜歯ケースに切り替える場合も想定しなければなりません。
非抜歯、抜歯の判断は見た目のひどさではありません。歯列を広げたり、歯を後へ送れる条件が備わっているかです。 又、歯槽骨という歯の根が並ぶ骨の突起の外へはみ出して歯を並べることはできません。顎や歯の大きさに個人差があるわけですから、歯の本数にも個人差が生じるのもいたしかたないかもしれません。
小さい頃から長期間に渡り矯正装置がついたままということのないように、効果的な時期と処置を判断しています。又、永久歯が萌え揃うまで装置をつけて待たなくてはならない場合や、成長をしている間装置がはずせない場合などで、どうしても長期になってしまうときは、取りはずし式の装置を使用しています。低年齢のお子様の場合はできるだけむし歯のリスクを減らすことや、肉体的、精神的なダメージを避けるよう気をつけなければなりません。
■治療期間および保定期間 治療期間動かす矯正歯科装置をつけている期間は全体矯正で2〜2.5年がアーク矯正歯科での一般的な期間です。
これは、一般的に言われる矯正歯科治療より短いかもしれません。もちろん終了の状態が満足のいくものでなければ意味がありません。
そのためには歯を動かすいろいろな段階や方法の中でいろいろな装置を併用し、同時に進められることがいくつかあります。その分、患者さんの苦労が多くなるかもしれませんのでお話し合いをして決めていきます。
また、予約や治療に対してのご理解やご協力、装置の破損があればすぐに見つけて直しに来ていただくなど、期間の延長を防ぐ努力をお互いに行うことが重要です。」
一方、保定期間は長めです。治療期間の動かす装置をはずしたあと、写真のような取り外し式の保定装置を使用し、定期的な検診で安定を追っていきます。
歯は動かした直後は特に動きやすいため、きちんと使用していないとせっかく治療した歯列がだいなしになってしまいます。
又、お口の周囲筋肉の影響など個人差も大きいため、安定しやすいか、安定しにくいかを判断しなければなりません。そのためアーク矯正歯科では3年位定期検診(3〜4ヶ月に一回位)を続けています。大変だと思うでしょうが、歯を動かす以上に安定させることに気をつけ、治療の計画も安定しやすさを考えて立てていくぐらい矯正歯科治療にとって重要な部分と考えています。